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『愛と死』 [本]

武者小路実篤の書いた『愛と死』を読みました。約100ページという短編小説で、
読み終えるのに1時間かかりません。

DSCN4051.JPG

自宅の書棚にある本でしたが、今まで読むことはありませんでした。
新潮文庫で、題字は武者小路実篤の直筆です。

内容は恋愛小説、いや正真正銘の純愛小説です。
時代設定はおそく昭和初期だと思いますが、古き良き真面目な男女の恋愛物語です。
主人公村岡は小説家だからかもしれませんが、夏子との会話がとても文学的で、
今の若い子ではピンとこないかもしれません。

村岡がフランスから帰国後、帰国の歓迎会で述べた、
「死んだものは生きている者に対して、大いなる力を持つが、生きているものは死ん
でいる者に対して無力である」
という言葉が印象的です。

また亡くなった夏子が、女優の故夏目雅子さんとだぶりました。
それくらい健康的で、透き通った美しさを持った女性として描かれています。
読んだ人は、若かりし頃を思い出す人もいるのではないでしょうか。
胸打たれ、心に染みる1冊といえます。


◇あらすじ(ウィキペディアより)
小説家の端くれである村岡は尊敬する小説家であり、友人となった野々村の元へ訪問
するようになる。そこで野々村の妹である夏子と知り合う。ある時、野々村の誕生日会
の余興の席で夏子に窮地を救われてから、二人の関係が始まる。文芸会の出し物や手紙
のやり取りで距離を縮めていき、最終的に村岡の巴里への洋行後に結婚をするまでの
仲になる。半年間の洋行の間でも互いに手紙を書き、帰国後の夫婦としての生活に希望
を抱いていたが、帰国する船の中で、電報によって夏子の急死が知らされる。帰国後、
深い悲しみを負いながら野々村との墓参り、帰国の歓迎会で村岡は「死んだものは生き
ている者に対して、大いなる力を持つが、生きているものは死んでいる者に対して無力
である」という無常を悟る。二十一年の時を経てもその考えは彼にとっての慰めとなっ
ている。
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十円木馬

middrinnさん、naice!ありがとうございます。
by 十円木馬 (2017-10-27 17:03) 

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