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孤舟(こしゅう) [本]

最近読書付けです。まさに読書の秋です。
渡辺淳一の新刊「孤舟」を書店で見かけ購入しました。(約2時間で読めます)
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渡辺淳一著
集英社 定価1680円

定年退職した主人公威一郎が、企業戦士から一転、その日を過ごすにも時間を持て余す
苦悩や、家族から疎まれる悲哀が描かれています。妻や娘が家から出て行き、それまで
家事等一切しなかった威一郎には、戸惑いの連続です。
妻にとっては、金魚の糞のように付きまとわれるうっとうしさを感じてしまったようです。

定年後の生活の送り方については色々な本が市販されていますが、仕事一筋であった
男性ほど、時間の使い方に戸惑ってしまうようです。
趣味や交友関係が多い人はよいのでしょうが、毎日続けることができる趣味となると中々
難しいものがあります。また資金に余裕があるとないでは全然違ってくるでしょう。

この主人公を始め、多くの場合、定年後妻の行動が気になり始めるケースが多いようです。
自宅でごろごろしているため、これまでは意識していなかった妻の行動をつぶさに観察
するようになります。また妻側も3食の用意、いつも見張られているというストレスが溜まり、
やがて爆発に至ります。風呂掃除くらいして当然という妻の主張も分かるような気がします。

読みながら自分ならどうなるだろうと考えてみました。
私の場合、今のところそういった干渉はほとんどお互いなされません。土日妻が外出して
もあるもので食事は済ましてしまいますし、1人でいることが苦痛ではありません。
妻も私の行動を根掘り葉掘り聞くようなことはありません。ですから私が将来退職しても
一定の距離感を持ってうまく暮らしていけるのだと思っています。

ただ今以上に自由な時間ができるという点で、ライフワークとなるような趣味やボランティア
などは見つけておくべきかもしれません。
私の趣味である将棋や麻雀にしても相手が必要ですし、何か1人でできることが重要です。
子供の頃好きだった絵画なども、定年になったら始めたいとも思います。
この主人公のように、妻が出ている間にデートクラブに入会して、ちょっとしたアバンチュール
楽しもうと考えるかどうかは・・・これは多分無いでしょう!

それにしても、この「孤舟」は、何故か気持ちよく読めます。テーマは重たいはずですが、
主人公をはじめ登場人物は皆、明るくて前向きです。
TV化できそうなストーリーであり、お勧めの一冊と言えます。
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