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生と死について [人生観]

最近、いじめという出来事を発端にして各所で連鎖が発生しています。
生徒のみならず、責任者である校長までその行為に及んでいます。
本当に悲しくもあり、やりきれない気持ちで一杯です。

気が付くと、私自身このテーマに関して何度かブログ上で書いています。

私も若い頃、死、自殺について時々考えた事があります。
なぜ当事者がそうした行為に及ぶのか・・。
文学者の死、例えば芥川龍之介や太宰治、川端康成や三島由紀夫などは、
作品への飽くなき追求に対する限界や葛藤(三島の場合は違うような
気がしますが)の末、死を選択したのでしょうが、一般的には極めて様々
な事由に起因しています。

自分に近い立場で、印象的だったのが大学当時読んだ

高野悦子さんの「20歳の原点」です。

立命館大学の学生の日記です。
ある夜、鉄道へ飛び込み自殺します。
その直前まで、彼女の気持ちが綴られています。
日記でありながら明らかに「虚栄」、「虚飾」が書かれています。
そこには孤独な一人の女が存在しています。
逆に人間らしくもあり、自分と重ね合わせることができると感じたの
だと思います。
彼女の身近にいれば、自殺は防げたはず、当時そんなことを考えていたいた
ような気がします。

彼女の日記の最後に書かれた詩は、死を既に決意しています。
この詩を読むたびに、涙が出そうになります。それだけ死を覚悟した心情が
私に伝わってくるのです。
自殺はどんな理由でも肯定できません。それでもこの詩を読むと、なぜか
作者の気持ちが分かるような気がするのです。


二十歳の原点 高野悦子

旅に出よう
テントとシュラフの入ったザックをしょい
ポケットには一箱の煙草と笛をもち
旅に出よう

出発の日は雨がよい
霧のようにやわらかい春の雨の日がよい
萌え出でた若芽がしっとりとぬれながら

そして富士の山ににあるという
原始林の中にゆこう
ゆっくりとあせることなく

大きな杉の古木にきたら
一層暗いその根本に腰をおろして休もう
そして独占の機械工場で作られた一箱の煙草を取り出して
暗い古樹の下で一本の煙草を喫おう

近代社会の臭いのする その煙を
古木よ おまえは何と感じるか

原始林の中にあるという湖をさがそう
そしてその岸辺にたたずんで
一本の煙草を喫おう
煙をすべて吐き出して
ザックのかたわらで静かに休もう

原始林の暗やみが包みこむ頃にになったら
湖に小舟をうかべよう
衣服を脱ぎすて
すべらかな肌をやみにつつみ
左手に笛をもって
湖の水面を暗やみの中に漂いながら
笛をふこう

小舟の幽かなるうつろいのさざめきの中
中天より涼風を肌に流させながら
静かに眠ろう

そしてただ笛を深い湖底に沈ませよう


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