SSブログ

「平時の指揮官 有事の指揮官」 [本]

長年会社勤めをしていますと、組織の強弱や、景気の良し悪し、あるいは、
経営計画の有無などで、飛躍的に成長したり、一転して、会社存続の
危機に見舞われたりすることを経験します。会社が安定しているときとそうでな
いときでは、上にたつ人の行動や考えは、大きく変えなくてはなりません。
それが、この著の「アフター・ユウ」と「フォロー・ミイ」で明快に説明されています。

世の中が安定しているときは、強烈なリーダーシップを発揮せずとも事が上手く
進んできました。
実際私の会社の歩みを振り返っても、バブル景気の時代は、鮮明なビジョンが
あったわけではないと記憶していますが、大量に社員を採用してもすぐに仕事に
つけられる状況でした。仕事量も多いため、他社との競争も熾烈でなく、ここがだめ
なら別で探せばいいといった、ある意味「お先にどうぞ」的なスタンスでした。
しかし、バブルがはじけてからはそんな悠長なことは言っていられません。

会社の経営方針や戦略、戦術を具体化し、素早く実践していかなければ、倒産の
憂き目にあってしまいます。こうした時代はフォロー・ミイの精神で事にあたら
ねば、大変な結果を招いてしまうわけです。

この著のなかで、「こんな上司は失格だ」という章があります。
部下は上司を選ぶことはできませんが、しかし上司は常に部下から尊敬される
人間でなくてはいけないと考えています。失格の条件としては、

「部下に対する愛情と尊敬がなく、一つの人格として遇しない」、
「金に淫し、物欲に汚い」、
「指揮、指導、統率力がない」、
「人の叱り方が適当でない」

などが上位にあげられています。
どれも当たり前のことですが、人間は弱い動物ですので、気の緩みで心の変化が
起こることもありえます。
世の政治家がとかく賄賂などでニュースになるように、私欲などは特に注意すべ
きことだと思います。
「平時は紳士、有事は武人たれ」という言葉を念頭において、より優れた管理者に
なるよう考えさせられた1冊でした。


著者:佐々 淳行
価格:550円


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0