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「裁きの家」 [本]

三浦綾子の「裁きの家」を読みました。

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集英社文庫

ここ半年で、東野圭吾の作品をほぼ全て読み終え、自宅にある古い小説を読み直すことにしました。(父の残した未だ読んでいない小説がたくさんあります)

三浦綾子は、「氷点」がよく知られていますが、手元にあるのは、「道ありき」、「塩狩峠」、「積み木の箱(上下巻)、そしてこの「裁きの家」です。

この小説は昭和45年に「週刊ホーム」に連載された作品ということなので、既に50年近く経っています。しかし読んでみて全く古臭さはなく、現代にも十分通じる話ではないかと感じます。

サラリーマンの小田島謙介、兄で大学教授の小田島博史。この謙介と博史の兄弟の二つの家族を中心に、それぞれの家庭に起こる様々な問題と、健介の妻優子と博史の妻滝江の二人の主婦を対照的に描き、人間のエゴイズムを、それぞれの息子たちの目を通した描かれた作品です。
滝江のような悪妻は実際いると思いますが、ただ実の息子が自分の死をかけて母を殺そうとできるのか正直疑問です。それにしても悪女滝江の車に同乗していた謙介の妻優子が、頬に大きなガラスが突き刺さるというラストは、「何故」そんな理不尽な終わり方なんだと、著者にクレームの1つもつけたくなります。
しかしそれは、人は人を殺す権利はあるのか?という著者の問いかけかもしれません。色々考えさせられる作品でした。
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十円木馬

はじドラさん、nice!ありがとうございます。
by 十円木馬 (2018-08-26 07:23) 

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