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「蜜蜂と遠雷」 [本]

先日、子供の荷物を整理していると、ダンボールから恩田陸の「蜜蜂と遠雷」 が出てきました。
以前から読みたいと思っていた本でした。

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「蜜蜂と遠雷」は今年の直木賞受賞作です。また直木賞と本屋大賞のダブル 受賞及び
同作家2度目の本屋大賞受賞は、史上初の快挙です。

感想を述べるなら、ここ数年の直木賞受賞作のなかでは、文句のつけようがない
最高傑作です。褒め過ぎかもしれませんが、クラッシクに興味のある人なら、
この小説で描かれている演奏曲の説明の細かさに驚くはずです。

ピアノコンクールを舞台にした小説なので、音大出身の我が子が買いたくなるのも
頷けました。
子供の専門は打楽器ですが、ピアノも5歳の時から習っていました。何度かピアノで
コンクールにもエントリーし、演奏会にも出ていました。私も当時は仕事がハードで
したが、時間のやりくりして必ず家内と聴きにいったものでした。
コンクールの緊張感は独特なものがあります。本を読みながら、当時のことを度々
思い出しました。

それにしてもこの恩田陸という作家は、どのようにしてこれだけピアノコンクールの
ことについて精通しているのでしょうか。相当の取材や勉強をしない限り、これだけ
正確かつ深い描写することは不可能と言えます。逆にこれほど信憑性のある文章力だ
からこそ、夢中になってしまうに違いありません。

500ページ強の長編小説ですが、一度読み始めると途中で読むのを中断することは
難しいです。それほど引き込まれる、読む価値がある1冊と言えます。

なお別売りで、蜜蜂と遠雷音楽集がCD化されています。
作曲中のピアノコンクールから19曲を厳選した2枚組アルバムです。
恩田陸書下ろしのエッセイが書かれており、登場曲への思いも分かります。

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<背表紙の文>

ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。
「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり
近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。
養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。
かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら
13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。
音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの
高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード
音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?
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十円木馬

金四郎さん、nice!ありがとうございます。
by 十円木馬 (2017-11-23 10:45) 

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