思考は変えられる

「人生における大きな喜びは、人が君にはできないということを
やり遂げる事だ。」

イギリス人ジャーナリストのウオルター・バジョットの言葉です。
私はこの言葉が好きで、公の場でスピーチするとき、たびたび
引用させてもらっています。

会社において、各事業部単位で来年度の計画を立てさせますと、決まって
今年度の延長線上の数値計画が出てくるのがほとんどです。
そこには夢や驚きが存在しません。
当然の事ながら数値を発表するからには、その根拠や責任を負うこと
になりますので、自分の能力以上の計画は立て辛いことも事実です。

東証一部上場のワタミグループ社長である渡邉氏の場合、目標は、
自分で絶対不可能と思われるものを立てると言っています。そして
ありとあらゆる知恵を絞ってその目標を達成するのだそうです。
まさにウオルター・バジョットの言葉を実践されています。

結局のところ、立てた数値（ヴィジョン）がその会社、経営者、管理者の
器なのだと思います。
会社を良くしたいと、ほとんどの経営者は思っているはずです。しかし
その思いの強さの違いが、会社の成長の差となってくるのだと思います。

例えば、現在５０名の社員から成る会社があります。そこへ来年度の
新卒を５０名採用しようと計画します。
９０％以上の経営者は無理だと考えます。それは、入社した後の
資金繰り、仕事の確保の難しさや教育などマイナスの要素に支配される
からです。

逆転の発想で、、
将来少子化を迎える、入社時から仕事に付かせれば黒字になる、結果
会社の急成長につながるといったプラスの思考が働くならば、５０名
という数値は選択ではなく決定であり、それを実現するためにはどうすれば
よいのかを考えるのです。
一見無理と思える計画も、考えていくうちに、それが当たり前となってく
るから不思議です。そこには無茶をしているようで、実は、具現化する
ためのありとあらゆる方法や手段が飛び交っているので、思ったほどリス
クは高くありません。
石橋をたたいて渡るだけではなく、ほんの少し背伸びして生きていくことも
人生においては必要なのではないでしょうか。