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上杉鷹山 [本]

久しぶりの土曜休み。やっぱり休みはいいですねエ。
好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、ボーッとしていたり・・時間が
あっという間に過ぎていきます。

本はジャンルを問わずかなり乱読するタイプですが、同じ本を2度以上
読むことはそう多くありません。(経営書は別ですが)

「上杉鷹山」は期間を置いて時々読み直す本の一冊です。
(経営に通じるので多分読み直すのだと思います)
「上杉鷹山」は多くの作家が書いていますが、私は何と言っても、
童門冬二氏が好きです。


鷹山の人材術ですごいと感じるのは、小姓の佐藤文四郎に、重職から
嫌われている者を探し出す指示をだす場面です。
藩の財政が危機的な状況においては、普通のことをやっていたのでは
改革は間に合わない、従って人の顔色をうかがわない自分の意見を
持った人間が必要と判断します。

これは今の時代にも当てはまると思われます。
とかく会社などでも派閥が蔓延り、身近にイエスマンばかりおく上層部は、
正直多いかと思います。
最近騒がしている「ミートホープ社」のワンマン社長などその典型といえます。
誰もが自分の意見に賛同してくれるほうが、気分は良いにきまっています。
しかし全員が右にならえでは、誤った方向に進んでいるときに取り返し
のつかない状況になることもあります。
従って耳は痛いが、誤りを指摘してくれる人材も必要になってくるわけです。
ただここからが重要です。鷹山の場合、佐藤が選んだ4人の者にこうつけ
くわえて言います。まわりから嫌われていては、何を言っても聞く耳を
持ってくれない。従って4人に対しても自分を変えるようにお願いをしてい
ます。
事をうまく進めるには事前準備が必要と説いているのです。

この場面を読むと思わず、前長野県知事の田中康夫氏のことを思い浮か
べてしまいます。
彼の改革は、当時「脱ダム宣言」を一方的に発し、議員全てを敵に回して
しまいました。
理論があっているか否かは関係なく、生理的に受け付けられない状況を
作り出したと思います。やはり内輪から賛同をする根回しも必要です。
そのためには、自分自身も多少変える努力はしないと事が始まらないこと
が分かります。

佐藤の選んだ4人にしても、鷹山のこの言葉なく案を出したとしても、重職達
を説得することは無理と言えるでしょう。
そうした意味でも鷹山の全体を見通す力、人も心を見抜く眼力は驚くものが
あります。

17歳という若さも更に驚きを倍増します。こうした裁量は人生経験がものを
いうと思われますが、彼はあてはまりません。
また、頭の固い7人の重役に対して苦労する鷹山を見て、現代にあてはめ
ても同じような状況があると思われます。
会社が生き残るには、社員の意識改革や思い切った人材の登用などの
仕組みづくりが必要です。
年功序列に惑わされず、毅然とした態度を持つ必要があると感じています。


童門冬二著
学陽書房


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