祝!カフカ賞(敬愛なる村上春樹氏) [本]
ブログ上では「経営」に関する書物の感想ばかり書いていますが、
小説も空き時間を見て乱読します。
最近嬉しかったことは、作家村上春樹氏が、今年度の「カフカ賞」を受賞した
ことです。
村上氏は、私が最も好きな作家の一人です。
村上文学は、あらゆるところで論評しつくされていますが、個人的に好きな理由
をあげるなら、
自分の生きてきた時代と重なりあうところだと感じています。
文章表現が独特で、至るところに絶望感や喪失感が漂っています。
それに迎合はしたくないのですが、何故か不思議と共感してしまいます。
「ノルウエーの森」は恋愛小説として評価は二分した記憶がありますが、
恋愛、学生、心身の病気、自殺といった若者が抱えるキーワードを的確に
捉えていると思います。
「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」
の青春三部作は夢中で読み耽りました。そしてその続編である、
「ダンス・ダンス・ダンス」は最高の作品だと思っています。
札幌のいるかホテルから物語は始まります。様々な奇妙な出来事は現実の世界な
のか幻想の世界なのか混同してしまいますが、断片が複雑に絡み合いながら
テンポよく話は進んでいきます。最初から最後まで息をつけないまま読み
終えてしまいます。
先日、「カフカ賞」の授賞式の後、村上氏本人がインタビューを受けていました。
私は本人の生の声を聞いたのは初めてで、ちょっと感動しました。
ノーベル文学賞を受賞したら、まさしく快挙だったのですが・・・。
講談社
定価1200円
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