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商いの道(イトーヨーカ堂) [本]

著者伊藤氏は、現在イトーヨーカ堂グループの名誉会長です。
東京千住の洋品店であった「羊華堂」の家業を継ぎ、イトーヨーカ堂グループに
育て上げた人です。

私の住んでいる町にも、ほぼ同じ距離に、イトーヨカードー、ダイエー、
ジャスコ、ユニー、ユーストアーと様々な店が乱立しています。
この本を読んだからではありませんが、私の家族が一番買い物に利用する
店は、イトーヨーカドーです。
他店と比べて何が魅力ということは、取り分け気にもしておりませんでした。
ただこの本を読み終えて理由が分かった気がします。

それはトップの経営方針、経営思想が全社員にくまなく浸透しているということです。
それだけ、伊藤氏は、商人とはどうあるべきかという本質を知っている人です。
どんなに規模が大きくなっても、店を立ち上げた時の初心を忘れていません。

会社が大きくなったり、個人も出世すると、そこに驕りが発生し、上からものを見る
ことが多々あります。著者はこうした兆候を厳しく戒めています。
業種が違うとは言え、お得意先を大切にする気持ちは、何年たとうと忘れるべきことで
はありません。特に、現在協力会社抜きでは、ビジネスも成立しないケーが多く
発生しています。

下請けの会社に対しても、自分さえよければというスタンスではなく、一緒に幸せ
になれる関係を維持して行かなくてと気持ちをあらたにしています。
 ヨーカードーの著者が、初心を忘れないでいられるのは、本人の人格が優れて
いるのは当然でしょうが、母と兄の考え方、生き方が大変りっぱだったことにあ
ります。母の商売に対する教え、

1.お客さんはこないもの
2.取引したくてもお取引先は簡単に応じてくれないもの
3.銀行は貸していただけないものという

教えは、商売の原点となる言葉で、大変重みがあると思います。そして最終的に
は、お客様を大事にし、信用を大切にすることを説いています。この思いは、ビ
ジネスで成功した全ての社長に共通したものだということが、理解できます。
逆にそうした思想のない人間は、絶対に成功はできないということでしょう。伊藤氏
にしても母や兄はもちろん、松下幸之助氏や相馬愛蔵氏など人生の指針を示
してくれた様々な出会いをしています。
人生を成功する条件として、素晴らしい人との出会いも重要なのだと、この本を読んで
深く感じました。


伊藤雅俊著 
PHP文庫 
定価457円(税別)


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